大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

神戸地方裁判所 昭和59年(わ)1146号 判決 1985年7月02日

一 本店所在地

兵庫県明石市大久保町字福田宮の浦一四四番地の一

法人の名称

株式会社 神栄工業所

代表者の住居

神戸市垂水区山手三丁目九番二三号

代表者の氏名

西山重美

二 本籍

兵庫県赤穂郡上郡町旭日乙一〇九番地

住居

神戸市垂水区山手三丁目九番二三号

職業

会社役員

氏名

西山重美

生年月日

大正一四年七月一日生

右両者に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官松原妙子出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告法人株式会社神栄工業所を罰金二、〇〇〇万円に、

被告人西山重美を懲役一年六月に

各処する。

被告人西山重美に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

訴訟費用は被告人西山重美の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告法人株式会社神栄工業所は、兵庫県明石市大久保町字福田宮の浦一四四番地の一に本店を置き、製鉄機械の設計製作業を営むもの、被告人西山重美は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人西山重美は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て

第一  同会社の昭和五六年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、その所得金額が七、七二七万九、九六一円で、これに対する法人税額が二、七九四万三、九〇〇円であったのに、架空の仕入れを計上するほか棚卸しを除外するなどの行為によりその所得の一部を秘匿した上、同五七年二月二七日、同市中崎一丁目六番一六号所在の明石税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が六、〇一四万九、四一三円で、これに対する法人税額が二、〇七六万一、一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税七一八万二、八〇〇円を免れ

第二  同会社の昭和五七年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、その所得金額が八、六二七万二、〇一八円で、これに対する法人税額が三、一三八万七、七〇〇円であったのに、前同様の行為によりその所得の一部を秘匿した上、同五八年二月二八日、前記明石税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が三、一三五万八、二七六円で、これに対する法人税額が八四二万一、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税二、二九六万六、四〇〇円を免れ

第三  同会社の昭和五八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、その所得金額が一億二、五八七万九、〇〇〇円で、これに対する法人税額が四、七六六万四、八〇〇円であったのに、架空の仕入れ及び架空の外注費を計上するなどの行為によりその所得の一部を秘匿した上、同五九年二月二九日、前記明石税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が三、六五八万一、九七〇円で、これに対する法人税額が一、〇二五万二、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税三、七四一万二、三〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部につき

一  第一回公判調書中被告人西山重美(以下「被告人」という。)の供述記載

一  被告人の検察官に対する供述調書二通

一  国税査察官調書一三通(検甲9ないし13号、19ないし22号、24ないし27号)

一  桑田富士、森田繁、中野トシ子、高下茂年、西岡洋昭の検察官に対する各供述調書判示各事実につき

一  脱税額計算書(検甲6号―第一の事実)

一  同右(検甲7号―第二の事実)

一  同右(検甲8号―第三の事実)

(法令の適用)

被告人の関係 法人税法一五九条(懲役刑選択)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重いと認める判示第三の罪の刑に法定の加重)、二五条一項、刑訴法一八一条一項本文

被告会社関係 法人税法一六四条一項、一五九条、刑法四八条二項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 角谷三千夫)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例